確率の基本
♪♥ この教材は,高校数学の基本問題のうち,確率の基本のバックアップファイルです.
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■ 確率の基本
※数学Aで習う確率の初めの部分は,中学校の復習になっている.
確率の定義
例1
 くじで当たる確率を求めるときに,「当たりかはずれかどちらかだから,当たる確率は2分の1」などと雑な議論をしてはいけない.

 右図1のように,5本のくじの中に当たりくじが2本入っているときに,1本引いて当たる確率は,次のように求められる.
 くじの出方の全体の場合の数N=5
 当たりくじが出る場合の数n=2
 どのくじの出方も「同様に確からしい」から,確率は p=

【要約】
 ある試行で起こりうる全体の場合の数が N 通りで,
各々の起こり方が同様に確からしいとき,
ある事柄が起こる場合の数が n 通りならば
その確率は p=
 
記号と用語

試行・・・同じ条件で繰り返すことができ,その結果が偶然によって決まる実験や観察(上の例1では,くじを引くこと)
事象・・・試行の結果起こる事柄(上の例1では,当たりくじが出ること)
全事象・・・試行で起こる結果の全体

 全事象は全体集合 U で表わされる.このとき,各々の事象は U の部分集合として A , B などの集合で表わされる.
 全事象を構成している個々の事象の起こり方が「同様に確からしい」とき,事象 A の起こる確率は U の要素数に対する A の要素数の比率で定義される.
p==
図1

○ 確率は, すなわち,(部分の数)÷(全体の数)で求められるが,
この計算で確率が求められるのは,全体の数を構成している各々の場合が「同様に確からしい」場合だけである.

 すなわち,この問題で全体の場合の数を「当たる」「はずれる」の N=2 通り,「当たる」場合 n=1 通りとすると,全体の場合の数を構成している個々の場合「当たる」「はずれる」が同じ確からしさで起こっていない.だから,= は確率にならない.

 これに対して,どのくじも同じように出るから,全体の場合の数を N=5 通り,当たりくじが出る場合の数を n=2 通りとすると,= は確率を表わす.

例1では

N=n(U)=5
n=n(A)=2
p==
となっている.
例2
 1個のさいころを投げるとき,4以上の目が出る確率
起こりうるすべての場合の数は N=6
(各々,同様に確からしい)
4以上の目が出る場合の数は n=3
p==
例3
 2枚の硬貨を投げるとき,表が1枚裏が1枚出る確率
起こりうるすべての場合の数は N=4
(各々,同様に確からしい)
表1枚裏1枚が出る場合の数は n=2
p==
※この問題で,表の出方は,2枚,1枚,0枚の3通りあって,問題に合うのが1通り, p= としてはいけない.

※ 「順列」「組合せ」「場合の数」では,異なるn個のものがある問題も,同じものがn個ある問題も扱うが,確率の計算では,目に見える程度の大きさのものには区別があるとする.(造幣局がどんなに正確に硬貨を作っても各々の硬貨には区別があるとする.)
 この問題では,表が1枚出るのは2通りと数える.

問題1[サイコロの確率]
(1) 大小2つのさいころを同時に投げるとき,出た目の和が5になる確率を求めよ.


(2) 大小2つのさいころを同時に投げるとき,出た目の積が3の倍数になる確率を求めよ.


(3) 赤青2個のさいころを同時に投げるとき,出た目の最大値が5になる確率を求めよ.


問題2[硬貨の確率]
(1) 3枚の硬貨を同時に投げるとき,表が2枚出る確率を求めよ.


(2) 1枚の硬貨を4回投げるとき,表が2回以上連続して出る確率を求めよ.


(3) 1枚の硬貨を何回も投げて,表が2回出たところで終わるものとする.4回投げたときに終りになる確率を求めよ.


問題3[くじ引きの確率]
(1) 10本のくじの中に当たりくじが3本入っている.同時に2本引くとき2本とも当たりとなる確率を求めよ.


(2) 5本のくじの中に当たりくじが2本入っている.同時に2本引くとき少なくとも1本当たる確率を求めよ.


(3) 5本のくじの中に当たりくじが2本入っている.1本ずつ引き,引いたくじはもとに戻さないとき,2本とも当たる確率を求めよ.


問題4[赤玉白玉の確率]
(1)
 袋の中に赤玉が3個白玉が2個入っている.この中から同時に3個取り出すとき,赤玉2個白玉1個が出てくる確率を求めよ.


(2) 袋の中に赤玉2個,白玉2個,青玉2個の計6個が入っている.この中から同時に2個取り出すとき,赤玉と白玉が1つずつ出てくる確率を求めよ.


(3) 袋の中に赤玉2個,黄玉2個,緑玉2個の計6個が入っている.この中から1個ずつ3回取り出すとき,緑黄赤の順に出てくる確率を求めよ.ただし,取り出した玉は元に戻さない.


問題5[順列の確率]
(1) A, B, C, D, Eの5人がくじ引きで1列に並ぶとき,A, Bが隣り合う確率を求めよ.



(2) A, B, C, D, Eの5人がくじ引きで横1列に並ぶとき,ABよりも左にいる確率を求めよ.


(3) 1, 2, 3, 4, 5の5個の整数から3個取ってきて1列に並べるとき,3桁の奇数になる確率を求めよ.


問題6[方程式の解などの確率]
(1) 1個のさいころを2回投げ,1回目に出た目をa,2回目に出た目を bとする.x=1が,2次方程式x2−ax+b=0の解となる確率を求めよ.


(2) 赤,青,黄色の3個のさいころを同時に,赤のさいころの目を x,青のさいころの目をy,黄のさいころの目をzとするとき,x+y=zとなる確率を求めよ.


(3) 1個のさいころを2回投げ,1回目に出た目をa,2回目に出た目を bとする.2次方程式 x2+ax+b=0が実数解をもつ確率を求めよ.


問題7[じゃんけんの確率]
(1) A,B,Cの3人でじゃんけんを1回するとき,あいことなる確率を求めよ.


(2) A,B,C,Dの4人でじゃんけんをするとき,1回で1人の勝者が決まる確率を求めよ.


(3) A,B,C,D,Eの5人でじゃんけんをするとき,1回で3人の勝者が決まる確率を求めよ.


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